COVID-19の一日当たりの新規感染者数は、東京で500人弱、全国で1500人強になった。東京だけでなく感染が全国に拡大してきたと見るべきだろう。新規感染者数の発表は実際のウィルス感染から10日から2週間遅れていると考えられるから今すぐに手を打ったとしても8月上旬の新規感染者数がさらに増加することは避けられない。
私はお盆のころまでに東京で1日1000人、全国で1日3000人レベルになると思っている。今でも傾向が出始めているがその頃になると検査能力の限界に近づいてきて、「体調が悪いのに検査してもらえない」という声が連日報じられるようになるだろう。そうなると発表される感染者数は実態とどんどん離れてきて、発表される感染者数はそれほど増えないが実際の市中感染はどんどん増えるという状態になりヨーロッパのような本格的なパンデミックになると思っている。但し政府は発表される感染者数が増えないことを理由に「パンデミックではない」と言い張るかもしれない。
政府は「緊張感を持ってみている」とか「憂慮すべき状態だ」とか言っているが実際にやっていることはアベノマスクの再配布とか、Go TO Travelから東京除外とかいった感染防止には役に立たなそうな手しか打っていない。私はこれは厚労省の医療官僚の問題だと思っている。専門家会議を廃止にして分科会として再組織して、御用学者を集めて「専門家の意見を聞いた」という責任逃れの体制を作ってはいるが、感染は科学なのでいくら責任逃れの発言をしても感染が減らないのは明らかである。トランプ氏が「中国の責任だ」と責任逃れを言ったところで米国の感染が治まらないのと同様である。
私は検査を徹底することで感染を抑えられると考えているが、安倍総理は4月時点で「検査能力を1日2万人にする」という低い目標を語った。私は4月8日に「1日10万人を目標にすべき」と書いたが、仮に5月中旬で1日10万人の検査ができて検査を徹底していればもっと感染の広がりを抑えることができたと思う。現在は1日3万人程度の検査能力になっているとのことなので安倍総理の「2万人」は目標ではなく「これくらいならできる」という官僚からの報告を受けてな発言だと分かる。政治家の役割は官僚に目標を示すことである。現政権はそれができていない。
今からでも検査能力はできる限り増やすべきである。しかし、既に1日10万でも不足で、1日100万を目標にするべきだろう。今の進め方では間に合わないだろう。8月末まで特に手を打たなければヨーロッパのように都市封鎖をしない限り、日本はインドを超えてアジア最悪の感染大国になることが予想される。
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