2020年4月26日日曜日

うっすら見え始めたコロナ後の世界

4月2日に私は「COVID-19後の世界は、回復したとしても元には戻らない」と書いた。その視点で私が言えたのは「IT技術の活用は広がる」「日本のITの利用遅れはさらに広がる」程度のことだったが、3週間経過してもう少し具体的なイメージが見え始めた感じがしている。
・ITの利用が大幅に進む
これは誰でもが考えることで、特に私の見方に特別な点は無い。しかし、その影響の社会全体に対する広がりはまだあまり指摘されていないように思う。
・原油需要の減少は長期間続く
最近、原油価格が急落している。その理由は最初はロシアとサウジアラビアの減産交渉の決裂だったのだ。その後、ロシアとサウジアラビアは再交渉で減産の目途を付けたが最近では世界全体の需要減少が大きく、原油価格は一時マイナスにまで陥った。私はコロナ治療薬が開発されたとしても、原油需要は元には戻らないだろうと思っている。観光需要は2年くらいかけて元に戻ると思うが、業務需要、所謂「出張」は半分くらいしか戻らないと感じている。その理由は多くの経営者が実際に人を派遣しなくても仕事をすることができることを知るからである。原油消費の減少は地球温暖化防止にも役に立つ。ので人の移動の減少は歓迎されるだろう。結果として航空会社の経営などは悪化したままであろう。
・世界は大幅なインフレになる
今回のCOVID-19収束後に私はかなり激しいインフレが来るだろうと感じている。その理由は各国政府が経済対策として膨大な費用を投じざるを得ないからである。その原資は無いので、国債発行を増やすしかない。しかし、国の借金が増えすぎると政府に対する信頼性が落ちる。自然な流れとして、資金投入を増額して、日本ならば日銀が1万円札を大量に発行して、資金流通量を増やす。これまでも「金余り」は指摘されていたが、銀行に資金が入るだけでは不十分で直接国民に資金を配布する方法を検討する結果、全体として資金あまりの状態になり、貨幣価値が下がる、つまりインフレになる。
世界最大の経済大国である米国のトランプ大統領がこの方式を好むと思われるので、世界全体がインフレになる可能性は高いと思う。インプレのペースをFRBがうまく制御できるかどうかは不明で、問題を起こす可能性も高いが、インフレになることは確実なように思われる。
・日本の世界における地位は下がる
これらの根本的な原因はITの活用である。日本国内でもIT利用が活性化することは確実だと思われるが、世界の中でのペースは遅い。平成の30年間、日本は長期低落傾向にあったとされているが、令和に入ってこの傾向は加速すると思われる。もちろん私も日本人なのでそうならないことを望むが、客観的に見れば日本の長期低落傾向は加速するとしか思えない。

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