トランプ大統領の「五輪延期発言」が話題となっている。私は昨日、「オリンピック中止したら?」と書いたが、よく考えると中止は経済的インパクトが強すぎるので、延期が妥当だと思うようになった。
私はトランプ大統領が嫌いで、殆どの彼の発言は嫌悪感を持って聞いているのだが、「五輪延期発言」は好ましいと考えている。
昨日も書いたように、今年のオリンピックを予定通り開催することは無理なことは既に見え始めている。IOCも、日本勢(東京都とJOC)も現状は「予定通り開催」と言っているが早晩、見直しが必要になるのは明らかである。その場合、どうするか、中止、延期、無観客という3通りの方法があるが、中止が経済的損失が大きすぎるとすれば、残る選択肢は延期か無観客である。
IOCとすれば無観客が好ましいだろう。テレビ放映権は主にIOCに入るからである。一方、日本勢にとっては無観客はダメージが大きい。コストはかかるのに収入が殆ど得られないからである。一方、延期はIOCにとってダメージが大きい。テレビ局と再交渉しなくてはならず、買い叩かれる可能性が高いからである。日本勢にとっては延期のほうがダメージはずっと小さい。
遠からず、IOCと日本勢が対立することは目に見えている。その場合、IOCが「決定権はIOCにある」と言って押し切ろうとすることは容易に想像される。トランプ発言はこれに楔を打ち込んだものだと解釈している。トランプ氏は無観客試合についても発言しているので、既にこのような議論が米国大統領の耳にも届いているのだろう。
大統領がサポートしているとなれば米国のテレビ局も放映料をむやみに買い叩くことはしないだろう。日本勢は、現状の「予定通り開催」は無理だろうと言う認識の上に立って、トランプ発言に慎重に反応するべきであると思う。
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