2020年9月16日水曜日

菅義偉新総理への期待と危惧

 予想通り、菅義偉前官房長官が自民党総裁になり、内閣総理大臣に任命された。

菅氏に関して私は裏で動く印象があって、あまり良いイメージを持っていなかったのだが、自民党総裁選挙での色々な発言を聞いて評価は上がってきた。デジタル庁の創設、地銀の集約、中小企業の集約など、着眼点は良く、実行できそうな政策を掲げていたと思う。ちなみに自民党の総裁選挙での発言を聞く限り政策として最もしっかりしたビジョンを持っているのは石破氏だと感じたが、具体性では菅氏だった。

縦割り行政打破のために、例えば川の氾濫防止のために、国土交通省の管理するダムだけでなく、農水省や自治体の管理するダムでも意識を合わせて事前放流するなどは、菅氏が縦割り行政打破の事例として挙げていたが、ちょっとした協力関係で実現できることなので、この種の事例は今後増えてくることが予想される。一方でデジタル庁のような大きな話は、各省庁で握っている権限を手放させて一か所に集約しないとうまくいかない。これは官僚の強い抵抗が予想されるので、よほどぶれない、強い大臣でない限り前に進まないだろうと思っている。

私が推奨している公共LTEという各省庁の無線システム統一化の話も、規制改革会議では「進めるべし」という結論が出ているにもかかわらず、各省庁の無線官僚が抵抗していて話は動いていない。今回、菅氏が総理大臣になるので公共LTEも動くかと期待したが、武田総務大臣では動かせないだろう。デジタル庁はまだできていないがデジタル担当大臣の平井氏が担当になるとすれば、全くの力不足である。いずれも、菅氏自身がかなり情熱を傾けないと前に進まないだろうと思う。

私が大きな問題を抱えていると思っているのは厚労省で、福利厚生関係、医療関係のいずれも官僚の意識に大きな問題があると思っている。民主党政権時代に長妻大臣が官僚と対立して全くうまくいかなかったが、安倍政権に代わってからも厚労大臣は官僚をコントロールできていない。COVID-19対策では医療官僚をどう動かすかが問題となったが、今回官房長官に移った加藤大臣は全く官僚をコントロールできず、厚労省のスポークスマンとしてしか機能していなかったと思う。官邸がPCT検査を増やそうとしても、なかなか増えず、いまだにどこがボトルネックであるかすら明らかになっていない。今回、石破派の田村大臣を任命したが、石破氏本人くらいでないと動かせないだろうと思う。今回の内閣は全体として、手堅い感じはあるが、大きな仕事はできず、細かい改良を積み上げる内閣になると私は予想している。

一方、危惧も感じている。それは安倍政権時代に行った官僚システムの破壊である。特に森友学園問題における財務省、加計学園問題における文科省では正当性のない人事を行い、忖度体質を作ってきた。菅氏はこの対応でも大きな役割を担ったと思っている。官僚の側にも問題がある場合は少なくないので、政治家がトップ官僚の人事を握っていることは悪くはない。しかし、菅氏は正当性のない人事でも行うような人物であることは十分に注意しておく必要があると思う。

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