2026年2月10日火曜日

給付付き税額控除に注目するべき

 昨日のブログで触れなかった高市政権の政策について補足しておきたい。

それは「給付付き税額控除」についてである。これは税に関する大きな方針変更になるので、総理は検討に2年かかるとしており、そのつなぎとして「2年間の食料品消費税をゼロにする」としている。ところが、報道で取り上げられたのは消費税減税ばかりで、「給付付き税額控除」については殆どコメントされていない。

私は総理の掲げた給付付き税額控除に賛成である。しかし、これは影響も大きく、検討に2年かかるというのも理解できる。消費税減税はつなぎの政策であり、私はそれほど重きを置いていない。

AIの急速な普及により、今後ホワイトカラーの仕事が大幅に減少することは間違いないだろう。現在の中間層であるホワイトカラーはAIを使いこなす富裕層の仲間入りをするか、AIに仕事を奪われて貧困層に没落するかのどちらかになる可能性が高い。結果として一部の富裕層と、貧困層の増加という経済的豊かさの分離が起こると思う。日本の中道党や米国の民主党などは中間層を維持すると言っているが、貧困層を放置して中間層を補助することは政策としては現実的ではなく、貧困層対策を強化することのほうが現実的だと思う。私は「給付付き税額控除」は貧困層対策として極めて有力だと考えている。

国民としては本丸の「給付付き税額控除」こそが重要で、総理の真意や実現性を問うべきである。しかし、総理がつなぎの政策と言っているにもかかわらず、メディアは消費税減税ばかりを取り上げ「給付付き税額控除」に関してはほとんど触れられていない。この分野に詳しいはずの日経新聞ですらそうなのだから、この国のメディアはいったいどうなっているのかと思ってしまう。


2026年2月9日月曜日

今回の選挙は日本の政治の転換点となるか

 昨日の選挙は自民党の大勝に終わった。

昨日は雪の中、私はいつものスニーカーでは歩けないと思い登山靴を引っ張り出して投票所まで歩いて行った。投票所はすいていたが、前回よりも投票率は高かったそうだ。

結果は予想通り中道の大敗に終わった。但し、私はここまでひどく中道が負けるとは思っていなかったし、自民党も、単独過半数程度だろうと思っていた。それが、自民党単独で3分の2に達して、中道は改選前の3分の1以下という大差だった。現在は自民1強に対してその他の政党がいくつか、という構図で、これがいつまで続くか、という問題になるだろう。

今回の選挙は、第2党であった立憲民主党が消滅した選挙と言えると思う。そしてこれは新しい政界再編の始まりになるかもしれないと私は思っている。これまでの立憲民主党は、自民党対社会党という対立の構図を引き継いで、資本主義対社会主義という基本構図対決の匂いがあった。世界では20世紀中に社会主義は経済原理としては成り立たないということが証明済であるにも関わらず、旧立憲民主には社会主義の発想から抜け切れない印象の国会議員が少なからずいた。今回の選挙でその人たちは国会を去るか、残っていても資本主義の中で日本がどう生き残るかを考えざるを得ず、米国や英国のような2大政党制になる下地ができたと思う。

自民党の中にも高市総理に不満を持つ人たちは少なからずいるので、自民党の中から一部が分離して、その他の政党を集めるような政界再編が3年以内くらいで起こるような気がしている。問題は、その新党の自民党との対立軸をどうするか、様々な意見の人たちを糾合する中心人物になりそうな人がいるか、である。私は今の野党には求心力を持つような人物はいないと思っている。もし出てくるとすれば、小池東京都知事か、あるいは現時点ではそれほど知名度の高くない人ではないかと思う。林芳正氏や小泉進次郎氏は自民党から外には出ないだろうと思う。

第2次高市内閣がどうなるかについても、言及しておこう。選挙で大勝したので、当面高市氏のやりたい方向に動くことは間違いない。積極財政を掲げているので当面の景気が良くなることは間違いなく、現に株価は大幅に上昇している。これから始まる春闘についても、大幅賃上げなどの景気の良いニュースがどんどん出てくるだろう。ただしこれはマスコミは珍しいものを取り上げるという特質によるもので、賃上げが少ない企業のことは報道されないので、一般人は賃上げ率か高いような錯覚を起こすことによるものだと思う。年後半に出てくる平均の賃金上昇が物価上昇を上回る「実質賃金上昇」となるかどうかは微妙で、私は難しいのではないかと思っている。

前回も書いたように、高市氏の積極財政が日本の競争力向上にはつながらないと私は考えているので、2年もすると行き詰まりが明らかになってくると思う。通貨供給量を増やせば通貨安になる、通貨安になると価格競争力が上がり、輸出は増える、という構図はあるが、通貨安による輸出増加は、政治的な摩擦を生むので継続は難しいと思う。好調に上がり続けている自分の保有株をどこで売却するか、私にとっても難しい判断になると思っている。

2026年1月16日金曜日

日本は経済的武器を持つべき

 高市総理が通常国会の初めに衆議院の解散を決断した。私の予想よりも早かったが、いずれ解散総選挙になるとは思っていた。多くの人が自民党が議席を増やし、立憲民主党が大きく議席を減らすと思ったようで、解散の報道以来、日経平均の株価は大幅に上昇している。立憲民主党は公明党との統合を検討しているが、仮に統合したとしても、統合後の議席数が現在の立憲民主単独の議席数まで行けばよいほうだと思うし、遠からずまた喧嘩別れすると思う。自民党が単独過半数に達するかどうかは分からないが、議席を増やすことは間違いないだろう。つまり、株式市場が予測しているように安定した第2次高市政権が誕生するのは確実だと思う。

安定した高市政権が日本にとって良いかどうかは全く別問題である。政府支出を増やし、インフレ政策を取るので、見た目でGDPが増えて景気が良くなるように見えるが、円安が進み、ドルベースでのGDPは伸びないだろうと思う。ここ数年の円安で海外からのインバウンド旅行者は大幅に増えたが、輸出はわずかしか増えていない。これは日本製の製品の競争力がじり貧を続けている証しだと思う。私のように資産の大半が投資で預金は少ない人にとっては良いのだが、多くの人は物価高に苦しむだろうと思う。高市政権は物価高対策として、物価の上昇を抑える政策ではなく、困っている人にお金を配る政策を取っているので物価の上昇は止まらないだろう。

高市総理の経済政策の目玉は経済安全保障で、17の戦略分野を列挙しているが、どうも他国に意地悪をされても困らない体制を作ることが目標に見える。しかし、日本はエネルギーも食料も自給できるレベルにないので、自給体制を作ることは本質的に無理である。それよりも、経済安全保障の観点でいえば武器を持つことが重要だと私は考えている。ここでいう武器とは日本が供給を止めると世界の主要国経済に大きな痛手を与えるものである。例えば中国のレアアース、韓国のメモリ、台湾の半導体製造である。これに対して日本は明確な武器を持っていないように思える。トヨタの自動車は世界シェアトップであるが、トヨタが自動車の供給を止めたとしても世界が困るようには思えない。

現在の日本に必要なのはまず、一つでよいから武器と呼べる経済分野を作ることだと思う。武器となる分野はまず一つ確立することが重要で、17分野もの戦略分野を決めることは武器と言えるレベルまで育てる気が無いことを示しているように私は感じている。また、今決められている17の戦略分野の中に武器と呼べるレベルまで育つ分野があるのかも疑問である。本気で武器となる分野を検討しれば違った分野が見つかるような気がしている。また、以前書いたのだが、日本企業の競争力が低下している本質的原因は投資の不足にあるのではなく、変化を嫌う日本の文化にあると私は思っているので、仮に投資に成功したとしても日本経済全体の底上げにまで至るのは難しいと思っている。文化を変えるという議論は始まってすらいない気がする。

前回のブログで私は「高市総理の外交に期待する」と書いたがこれはどうも難しいと今は感じている。これは高市総理の外交能力が私の期待に沿っていない、ということでは無く、トランプ政権に対する適切な対応が非常に難しく、高市総理の間は日本はアメリカの子分という見方から抜け出せないのも仕方がないと思うようになった、ということである。ベネズエラ問題に見るような米国トランプ政権の軍事力行使に対しても、高市総理も何も発言できていない。安倍晋三元総理なら何かうまい言い方をしたように思うが、現在ではこの人ならうまくやるだろうという人も私には思い浮かばない。